part-time lover
落ちていく感覚と共に、それでもまだ彼が欲しくなり汗ばんだ首筋に腕を絡ませてキスをした。
「あずさちゃん、出すね」
唇を離して眉間にしわを寄せながら彼がそういうと、自分の身体のなかで律動を感じた。
情けなく私の首元に顔を埋める彼が可愛らしく思えて、いつものようにまた彼の髪を撫でる。
また少し白髪が増えたかな、なんて冷静に思う自分がなんだかおかしかった。
荒い呼吸を整えながら、身体を離す前にもう一度ゆっくりキスをした。
関係性が変わるのが少し怖い気もしたけど、同じ気持ちで身体を重ねられるって、こんなに充足感があることなんだな。
そんなことを感じながら、隣で無防備に横たわる彼の顔を覗いた。
「ありがとう、気持ち良かった」
ああ、この人も同じ気持ちでいるんだ。
私が言葉にしなくても多分どう思っているのかは筒抜けだろうから、あえて何も言わずに微笑む。
その安心感がなんだかここちよかった。