part-time lover


枕元の時計を見ると、退室の時間までまだだいぶ余裕があることに気づいた。
そりゃそうか、入室してすぐにこうなったんだから。

「ねえ、まだ時間があるから横になりながら少し飲みませんか」

たまにはいつもと順序が逆でもいいかと思い、自分から提案してみる。

「いいね。冷蔵庫のビール開けちゃおうか」

「わーい」

「ちょっとまっててね」

そう言って彼が裸のままベッドを抜けて、冷蔵庫からビールの缶を二本持ってくるのが滑稽で思わず笑ってしまった。

「笑わないでよ。はい、どうぞ」

少し気恥ずかしそうにしながら、彼がビールを一本私に渡したあと、ベッドに戻った。

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