part-time lover
「大丈夫です。全然嫌じゃないというか、その感じで接してください」
「それならよかった」
少しホッとした様子で、彼がグッとビールを飲む。
サイドテーブルに缶を置く時の音から、中身が空になったことがわかった。
時計を確認すると、退室の時間が少しずつ迫っていることに気がつく。
「そろそろシャワー浴びてくるね。
よければもう一本開けてて」
そう言ってベッドを出る彼の背中を見送って、少しだけ寂しい気持ちになる。
ごろんと寝返りを打って、先程まで彼がいた場所の温度を確かめながら布団に包まって目を瞑ると、少しだけ安心して心地が良かった。