part-time lover


「あずさちゃん、起きて」


その声にハッとして目を開ける。

「え、私寝てました?!」

もう身支度を終えた彼に顔を覗きこまれていた。

状況が掴みきれていない私を見て、彼が噴き出した。

「気持ちよさそうに寝てたから起こすのが申し訳なかったけど、残念ながらもうすぐで出なきゃなんだよね」

周りの物音にも気づかないくらいの爆睡だったようだ。
間抜けな寝顔だったんだろうな。いびきはかいてなかったかなと、一瞬にして色んな思考を巡らすと、寝起きの気だるさも吹っ飛ぶくらい恥ずかしくなった。

「あーごめんなさい。急いで着替えますね」

自分だけ裸な状態が、さらに羞恥心を煽った。

「まだ少し時間あるからゆっくりで大丈夫だよ。それに心配しなくても可愛く寝てたから安心して」

自分の心は全てお見通しなんだろう。
慌てふためく私のことを見ておかしそうに彼がそう言った。


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