part-time lover
いつもの調子を取り戻したのか、ものの数分でグラスのビールを半分近く勢いよく飲んでしまった。
「透子ちゃん、お酒強いねー。
同じくらいのペースで飲める子ってなかなかいないから、今すごく楽しいな」
それは私も感じていた。
同じペースで酔いを感じながら、他愛もないことをただ話してるという時間がすごく心地よかった。
「強くはないよ、好きなだけ。
けど私も今楽しい」
「ほんと?それならよかった。
こういう話題にもってくのもあからさまかもしれないけど」
そこまで言って、彼が一瞬口を閉じた。
「ん?」
だいたい話題の想像はつくけど、気づかないふりをした。
「透子ちゃんて今までどんな恋愛してきたのか知りたいなって。
紹介って手前、結構構えてたんだけど、想像以上に落ち着いてて話しやすいから。
きっと大人の恋愛なんだろうなあって、気になってさ」
大人の恋愛か。
今のケイさんとの関係は恋愛関係ではないけど、彼のおかげでだいぶ余裕を持てているのは事実だった。
けどそんなことを到底初対面の男性に言えるはずもなく。
「大人の恋愛なんて、そんな立派なものしてないよー。
大学時代に長く付き合ってた同級生の彼氏が一人いたくらいで、そのあとはまともに人と付き合ったりしてないや。
今気づいたけど、もう一年くらい彼氏いないのか。やばいねー」
少し自嘲気味に話してしまった。
こじらせ感が出てしまっただろうか。
「えーそうなの!意外。
一年前ってことは、大学卒業してってタイミングか。
やっぱり環境のちがいってこと?」
「そんな感じかな。こっちは就職したけど、彼の方は進学して生活リズムが合わなくなっちゃって。
そしたら会う頻度も減るし、会ってもちょっとしたことで感覚のずれを感じちゃうし。
私の方が耐えきれなくなって、別れようって言っちゃった」
新入社員だった自分のことを思い出して、当時の若さに少し苦い気持ちになった。
グラスに少し残ったビールを飲み干す。
「わかるなー。学生から社会人になるってだいぶ大きな変化だよね」
「共感ありがとう。
雅也くんもそういうことあったの?」
「まあねー。
あ、次何飲む?」
さりげなくあいたグラスに気づいて次のお酒を進めてくれるあたり、慣れてるなと思った。
それとも触れられたくない話題だったのか。
「透子ちゃん、お酒強いねー。
同じくらいのペースで飲める子ってなかなかいないから、今すごく楽しいな」
それは私も感じていた。
同じペースで酔いを感じながら、他愛もないことをただ話してるという時間がすごく心地よかった。
「強くはないよ、好きなだけ。
けど私も今楽しい」
「ほんと?それならよかった。
こういう話題にもってくのもあからさまかもしれないけど」
そこまで言って、彼が一瞬口を閉じた。
「ん?」
だいたい話題の想像はつくけど、気づかないふりをした。
「透子ちゃんて今までどんな恋愛してきたのか知りたいなって。
紹介って手前、結構構えてたんだけど、想像以上に落ち着いてて話しやすいから。
きっと大人の恋愛なんだろうなあって、気になってさ」
大人の恋愛か。
今のケイさんとの関係は恋愛関係ではないけど、彼のおかげでだいぶ余裕を持てているのは事実だった。
けどそんなことを到底初対面の男性に言えるはずもなく。
「大人の恋愛なんて、そんな立派なものしてないよー。
大学時代に長く付き合ってた同級生の彼氏が一人いたくらいで、そのあとはまともに人と付き合ったりしてないや。
今気づいたけど、もう一年くらい彼氏いないのか。やばいねー」
少し自嘲気味に話してしまった。
こじらせ感が出てしまっただろうか。
「えーそうなの!意外。
一年前ってことは、大学卒業してってタイミングか。
やっぱり環境のちがいってこと?」
「そんな感じかな。こっちは就職したけど、彼の方は進学して生活リズムが合わなくなっちゃって。
そしたら会う頻度も減るし、会ってもちょっとしたことで感覚のずれを感じちゃうし。
私の方が耐えきれなくなって、別れようって言っちゃった」
新入社員だった自分のことを思い出して、当時の若さに少し苦い気持ちになった。
グラスに少し残ったビールを飲み干す。
「わかるなー。学生から社会人になるってだいぶ大きな変化だよね」
「共感ありがとう。
雅也くんもそういうことあったの?」
「まあねー。
あ、次何飲む?」
さりげなくあいたグラスに気づいて次のお酒を進めてくれるあたり、慣れてるなと思った。
それとも触れられたくない話題だったのか。