part-time lover
「私も、こんな風にプライベートで同年代の男の子と飲んだりするのが久々だったから今日はすごく楽しかった。
またおすすめのお店とかあればぜひ案内して欲しいな」
心の痛みは隠して、私も笑顔で落ち着いて伝えた。
それを聞くと彼の顔が明るくなる。
「よかった〜。じゃあ今度は仕事帰りによく行くビール屋さんに一緒に行こうよ」
「いいね!平日とかでもぜひ誘って」
次の約束が当たり前のようにスムーズに決まることも新鮮だった。
安堵で顔を緩めてから、彼が視線を腕時計にうつした。私も合わせて時間を気にする。
「あ、そろそろ時間だよね。まだ電車大丈夫?」
時刻は23時。解散にはちょうどいい時間だった。
「うん。終電までは全然まだあるから大丈夫。お会計しよっか。ここは私が払うね」
彼は先に店から出てもらい、お会計を済ませてから私も続いて外に出た。
空気は先ほどよりも少し冷えていたが、自分の気持ちの熱は高まっていることに気付いた。