part-time lover
「じゃあ次はいつにしようか。明日とか明後日は?終電まであんまり時間ないし、すでに早く会いたいなって今から思ってる」
この人はどこまで私の心臓を高鳴らせれば気が済むんだろう。
帰るのが惜しいなと思うのは私も同じだけど、そんなふうに口に出せるほどの素直さは持ってなかった。
「どっちもあいてるけど、そしたら明日にしない?1日フリーなら早めの時間からゆっくり遊びに行こうよ」
私なりに少し妥協して長くいたいことを伝えたつもりだけど、うまく伝わっただろうか。
「いいね!そしたら横浜でも行かない?ランチで中華食べたいな」
かわいい提案に思わず吹き出した。
「雅也くんて意外と味覚幼い?」
「あ、ばれた?よく言われる」
否定しない潔さにさらに笑ってしまった。
「でも私も中華好きだよ。中華街、久しく行ってないから楽しみ」
「よかった!俺大学が横浜の方だったから、遊ぶところはある程度提案できると思うよ」
「それは心強い。私方向音痴だから…」
「そうなの?意外な弱点」
どこか嬉しそうに彼が微笑んだ。