part-time lover
「ちょっと恥ずかしいんですけど」
ゆっくりと体を離しながら、かすれた声で彼がつぶやいた。
「気持ちよかったんで、つい」
ついって何だよと内心自分にツッコミを入れながらふふっと笑いがこぼれた。
「ありがと」
そうお礼の言葉を言いながら彼が隣に横たわった。
こういうことを始めて思ったのは、知らない相手に対する行為だからこそその人の本質が見えてしまうことがあるってこと。
自分が満たされるために一方的な人、相手が満たされたら満足する人。
ケイさんはどちらとも違って、二人で満たされいと思うタイプの人なのかなと息を整えながら冷静に感じた。
自分と関わってくれる相手とのこの時間を大事にしようとする人、実際は見当違いなのかもしれないけど個人的にはそんな風に感じて、なんとなくそれが嬉しいと思った。