稲荷と神の縁結び

グチグチと滋子様は煩いが…清貴さん的には、これも『需要と供給がマッチしている』状態だそうだ…。


しかし、私の服装が流行りの綺麗目な服装になったからと言って…何かが変わるわけではない。

第一うちの本部の人間は、ミドル世代の女性が中心なので…見せる相手が居ないと言った方が正しいのかも知れない。同年代のオシャレな女子会というものですら開催する人数は居ない。よって着かざって行く場所もない。
これは需要と供給がマッチしてないと思うのだが、その辺はどうなんだろう……。

まぁ清貴さん曰く、滋子様が喜んでいるので付き合ってやってくれとのことなので、滋子様に需要があることは間違いはないらしい。


私は荷物を詰め終わると、台所に行って冷蔵庫を開ける。
冷蔵庫の中には‐重箱をばらしたものが何段も。
清貴さん用に作ったおせち料理だ。

元旦はご両親の元に帰るそうだが、二日・三日はうちにいるとのことで（そもそも滋子様は旅行と言っていたような…）私が帰ってくるまでは、これで十分食いつなげるであろう。