稲荷と神の縁結び
今日は洋ちゃんとちかと私が朝の七時までの当番。圭ちゃんは除夜祭(まぁ言うなら神社の年越し行事)終了後の片付けが全部終わるまで居てくれる予定だ。


「洋ちゃん、今年もありがと」

「まぁ好きでやってるし。若い人手足りてないなら仕方ないじゃん」

「もう洋ちゃんぐらいしか、この世代は寄り付かないからねー……」
そう言って圭ちゃんがため息をついている。

きっと圭ちゃんの頭の中では‐その寄り付かなくなった元凶のお祖父様を思い浮かべているだろう。洋ちゃんもちかも幼すぎて覚えていないのが幸いだ…。


「まぁもう分家とか時代錯誤だけどねぇ」

「とか言いつつちゃんと時代錯誤な跡取りやってんじゃん。圭ちゃんは」

「ま、うちの子達が成長する前に何かあったら洋ちゃん頼むわ」

「それは…こはちゃんとちかに頑張って貰おうか。特にこはちゃん、何か噂になってるけど?」


にやぁと嫌ーな笑みを浮かべる洋ちゃん。
ここまで噂は回ってんのか……。
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