稲荷と神の縁結び
「どうせあと一年だな。もうそろそろ、連れてってくれるはず」
ニッコリと笑顔で、圭ちゃんははっきりとお祖父様の『残り時間』を宣言する。
普通は不気味がられるだろうが…私とお姉ちゃんは、圭ちゃんのことを『そういうものだ』と受け入れていた。まぁ私は、圭ちゃんによって色々…それこそお祖父様からも、そんな『何か』で色々守ってくれていたというのも大きい。
だから私は圭ちゃんを神職として最適だとおもっていたが…お姉ちゃんは別の意味で不安に思っていたらしい。
「圭吾が神主って……こんな腹黒で毒舌の神主でいいのかなぁ……はぁ~」
「何か酷くない?夕湖」
「ん?何が?事実だと思うけど?」
いやいや、圭ちゃんが毒吐くのは私の前と……夕湖ちゃんの前だけだよ、と心の中で突っ込む。この三人で居るときの圭ちゃんは、家でも見せない気の抜けた話し方をする。
特に圭ちゃんと夕湖ちゃんの会話は、漫才のようで……いつもクスクスと笑いながら聞いていた。
それが私のあの時の……『幸せな世界』の全てだった。
ニッコリと笑顔で、圭ちゃんははっきりとお祖父様の『残り時間』を宣言する。
普通は不気味がられるだろうが…私とお姉ちゃんは、圭ちゃんのことを『そういうものだ』と受け入れていた。まぁ私は、圭ちゃんによって色々…それこそお祖父様からも、そんな『何か』で色々守ってくれていたというのも大きい。
だから私は圭ちゃんを神職として最適だとおもっていたが…お姉ちゃんは別の意味で不安に思っていたらしい。
「圭吾が神主って……こんな腹黒で毒舌の神主でいいのかなぁ……はぁ~」
「何か酷くない?夕湖」
「ん?何が?事実だと思うけど?」
いやいや、圭ちゃんが毒吐くのは私の前と……夕湖ちゃんの前だけだよ、と心の中で突っ込む。この三人で居るときの圭ちゃんは、家でも見せない気の抜けた話し方をする。
特に圭ちゃんと夕湖ちゃんの会話は、漫才のようで……いつもクスクスと笑いながら聞いていた。
それが私のあの時の……『幸せな世界』の全てだった。