稲荷と神の縁結び
一瞬目を見開くが…さすがに失礼だと思い直し、ぐっと表情を戻す。
清貴さんはずっと黙々と食べているので、気づいてなさそうだ。良かった。
「初めて家で、出来立ての朝食を食べた気がする」
「初めてって……」
「俺の母親が作ると思うかぁ?」
そう言われて清様の奥様‐滋子(しげこ)様のことを思い浮かべる。
一応呉服屋の奥様であるが…正直着物姿を見たことがない。いつも目にするのはブランドのスーツ姿に、真っ赤なルージュが印象的なメイク。それに加え派手なネイルに、指と腕にはジャラジャラとアクセサリーをこれ見よがしに着けていて……
(『別名:クレオパトラ』だもんなぁ……)
恐ろしいぐらいスタイルは良いし、美しい方だが………家庭的という言葉とは程遠い。
「コメントは控えさせていただきます……」
あのネイルとアクセサリーで台所に立つ姿は…想像できるはずないだろう。
「でも、お手伝いさんとか居ましたよね?」
「家政婦は居たけど、通いだから作りおいてくれるだけだったな。昔から。
それに母親は米よりパンやパスタが好きだったんだよ。和食は滅多に出ない」
どうや滋子様はとことん『和』とは程遠い人らしい。
清貴さんはずっと黙々と食べているので、気づいてなさそうだ。良かった。
「初めて家で、出来立ての朝食を食べた気がする」
「初めてって……」
「俺の母親が作ると思うかぁ?」
そう言われて清様の奥様‐滋子(しげこ)様のことを思い浮かべる。
一応呉服屋の奥様であるが…正直着物姿を見たことがない。いつも目にするのはブランドのスーツ姿に、真っ赤なルージュが印象的なメイク。それに加え派手なネイルに、指と腕にはジャラジャラとアクセサリーをこれ見よがしに着けていて……
(『別名:クレオパトラ』だもんなぁ……)
恐ろしいぐらいスタイルは良いし、美しい方だが………家庭的という言葉とは程遠い。
「コメントは控えさせていただきます……」
あのネイルとアクセサリーで台所に立つ姿は…想像できるはずないだろう。
「でも、お手伝いさんとか居ましたよね?」
「家政婦は居たけど、通いだから作りおいてくれるだけだったな。昔から。
それに母親は米よりパンやパスタが好きだったんだよ。和食は滅多に出ない」
どうや滋子様はとことん『和』とは程遠い人らしい。