稲荷と神の縁結び
「外出か?」
「はい、サンカラーまで行って参ります……」
「なら途中まで送る。乗り換え駅通るから」
「いえ、大丈夫で…」
「社長、お待たせしました」
目の前に車を停めたのは、社長秘書の森岡さん。
先代の清様の時代から務められている大ベテランで、実は女子達の間で『イケオジ』と呼ばれているダンディーなおじさまだ。
「森岡さん、時松がサンカラーに行くそうだから、途中まで乗っけてこうかと思う」
「いえ大丈夫で…」
「かしこまりました。時松さん、遠慮なさらずにどうぞ」
振り切る隙もなく、森岡さんは私を車の後部座席に押し込む。
清貴さんも助手席に乗り込むと、森岡さんの安全運転で車は発進して行った。
「森岡さん、あの件はどうなっている?」
「どうも清様が難色を示しておられるみたいで、どうにか説得材料を見つけている所です」
「わかった。引き続きよろしく頼みます」
ここ二日間で忘れそうになっていたが、二人の会話を聞いていると‐びっくりする程痛感してしまう。
「はい、サンカラーまで行って参ります……」
「なら途中まで送る。乗り換え駅通るから」
「いえ、大丈夫で…」
「社長、お待たせしました」
目の前に車を停めたのは、社長秘書の森岡さん。
先代の清様の時代から務められている大ベテランで、実は女子達の間で『イケオジ』と呼ばれているダンディーなおじさまだ。
「森岡さん、時松がサンカラーに行くそうだから、途中まで乗っけてこうかと思う」
「いえ大丈夫で…」
「かしこまりました。時松さん、遠慮なさらずにどうぞ」
振り切る隙もなく、森岡さんは私を車の後部座席に押し込む。
清貴さんも助手席に乗り込むと、森岡さんの安全運転で車は発進して行った。
「森岡さん、あの件はどうなっている?」
「どうも清様が難色を示しておられるみたいで、どうにか説得材料を見つけている所です」
「わかった。引き続きよろしく頼みます」
ここ二日間で忘れそうになっていたが、二人の会話を聞いていると‐びっくりする程痛感してしまう。