稲荷と神の縁結び
ふいにサイドミラーに写る清貴さんが目に入ると‐少し、目が泳いでいる、気が、している。
もしや…何か知っているのか……?
「時松、ここでいいか?」
考えているうちに、乗り換えの駅近くまで到着していた。
ここからだと一本でサンカラーまで行ける。
「はい、わざわざありがとうございました」
駅前の大通りに車は停車し、私は車を降りて歩道に上がると深々と頭を下げた。
そのままお見送り…と思ったが「おいちょっと」という声で頭を上げる。清貴さんがパワーウィンドウを開けながら手招きをしているので近付くと……ぐいっと頭が引き寄せられる。
『今日は二十時には帰るから』
耳元でそう囁かれ‐心臓が波打つ。
いつもより一オクターブ低い、湿り気を含んだ声に心臓を引っ掻き回される。
そんな私の気持ちもお構いなしに、清貴さんはさっさと手を離してパワーウインドウを閉めている。
そして森岡さんに合図を出して、さっさと車は走り去って行った。
もしや…何か知っているのか……?
「時松、ここでいいか?」
考えているうちに、乗り換えの駅近くまで到着していた。
ここからだと一本でサンカラーまで行ける。
「はい、わざわざありがとうございました」
駅前の大通りに車は停車し、私は車を降りて歩道に上がると深々と頭を下げた。
そのままお見送り…と思ったが「おいちょっと」という声で頭を上げる。清貴さんがパワーウィンドウを開けながら手招きをしているので近付くと……ぐいっと頭が引き寄せられる。
『今日は二十時には帰るから』
耳元でそう囁かれ‐心臓が波打つ。
いつもより一オクターブ低い、湿り気を含んだ声に心臓を引っ掻き回される。
そんな私の気持ちもお構いなしに、清貴さんはさっさと手を離してパワーウインドウを閉めている。
そして森岡さんに合図を出して、さっさと車は走り去って行った。