偽装夫婦~御曹司のかりそめ妻への独占欲が止まらない~
桜咲く、恋も咲く
【桜咲く、恋も咲く】
四月の初めの週末。
尊さんが、休暇を取った。
わたしたちの花見に同行するというのだ。
「忙しいのに平気なんですか?」と、彼の体を心配するわたしに、「妻が僕より、中村といる時間の方が長いなんて、許せないから」と、なんとも恥ずかしい理由を述べた。
そんなこんなで、どうせみんなで出かけるならば少し遠出をしようと、神奈川県にある公園まで足をのばすことにした。
いつもの運転手付きの車は、今日は尊さんが運転してくれている。助手席にはわたし。後部座席にはおばあ様と秋江さんが座っていた。
尊さんの運転は相変わらず上手だ。丁寧で乱暴なところがなく、彼の性格をあらわしているように感じた……というのは少し大げさだろうか。
「いいお天気ね~きっとわたくしの日頃の行いがよいからですね」
「ええ、そうでしょうね。間違いありません」
尊さんは運転をしながら、おばあ様の言葉に少し笑いながら答える。
「なに、その言い方。かわいくないわ。ね、那夕子さん」
そんなことを言われても、「ははは」と笑うことしかできない。
その後もあれこれと話が尽きないまま、目的地に到着した。
四月の初めの週末。
尊さんが、休暇を取った。
わたしたちの花見に同行するというのだ。
「忙しいのに平気なんですか?」と、彼の体を心配するわたしに、「妻が僕より、中村といる時間の方が長いなんて、許せないから」と、なんとも恥ずかしい理由を述べた。
そんなこんなで、どうせみんなで出かけるならば少し遠出をしようと、神奈川県にある公園まで足をのばすことにした。
いつもの運転手付きの車は、今日は尊さんが運転してくれている。助手席にはわたし。後部座席にはおばあ様と秋江さんが座っていた。
尊さんの運転は相変わらず上手だ。丁寧で乱暴なところがなく、彼の性格をあらわしているように感じた……というのは少し大げさだろうか。
「いいお天気ね~きっとわたくしの日頃の行いがよいからですね」
「ええ、そうでしょうね。間違いありません」
尊さんは運転をしながら、おばあ様の言葉に少し笑いながら答える。
「なに、その言い方。かわいくないわ。ね、那夕子さん」
そんなことを言われても、「ははは」と笑うことしかできない。
その後もあれこれと話が尽きないまま、目的地に到着した。