小さなプレゼント【超短編】

ママ、大好きだよ。

あるところに産まれる前の

赤ちゃん達が集まっていました。

そう、ここは天国です。

赤ちゃん達は自分が

どの状況に産まれるのか

状況を決めた後は

どのママのお腹に入るのか

決めれるのです。

赤ちゃん達はそれぞれ

「わたち、お金持ちがいいー!」

「ぼくは、幸せいっぱいがいいー!」

と状況を決め、

「私、あの強そうなママのとこがいい!」

「僕は、動物が大好きなあのママ!!」

と思い思いに言いました。

神様はほら、行っておいでと

赤ちゃん達が選んだママの所へ

行かせてくれます。

ある1人の女の子の赤ちゃんが

神様に

「神様、1番選ばれない状況ってなに?」
と聞きました。

神様は
「産まれてから15歳までに
治らない病気にかかる状況だよ。」
と言いました。

赤ちゃん:「私、それがいい!
選ばれないんでしょ?」

神様:「いいのかい?
それは今年産まれていく子の中で
もっとも強い子ではないと
いけないんだよ。」

赤ちゃん:「私は強いよ。
皆んなが我慢出来なくても
私は出来るもん。
それに私が選んだママは
強くて優しくて
いつも笑顔でいっぱいなんだ。
そんなママのところに
産まれたら病気も吹き飛ぶよ。」

神様:「分かった。
君は強い子だね。
そのママは時々弱い時があるから
君がしっかり守るんだよ。
いってらっしゃい。」

そうして女の子の赤ちゃんは

自分が病気になると決めた上で

強くて優しくて笑顔いっぱいの

大好きな大好きな

ママのお腹に入りました。

それから11歳になったその子は

クローン病という病気にかかったけど

ママがいるから今日も

その子は頑張れるのです。

という絵本の内容だった。
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