冷やし中華が始まる頃には
こもれび陶芸
花火大会の翌日はいつも通りひだまりでバイトだった。

ひだまりの入り口で早速笹崎と会う。

「おつかれさまです。」

笹崎が何てことのない口調で言う。

「おつかれさまです。」

ならも少し笹崎の方を見たが、ばっちり目が合ったので思わず目を逸らしてしまう。

昨日の花火大会の後は、全く手を繋ぐこともせず駅まで帰ってきた。

21時前だというのに、あっさりと駅で別れたのだった。

「じゃ、まあ、ゆっくり考えてよ。」

とだけ言葉を残して笹崎はならを見送ったのだ。


「今日職員会議面倒くさいな。」

笹崎が呟いた。

「あ、忘れてた。やだ、今日だ。」

笹崎が言う通り、今日は月に1回の職員会議だった。
バイトを始めたばかりのならにとっては、話題が専門的で重苦しくなることもあり少し苦手だった。

職員会議は利用者たち全員を送り出した後始まり、大体18時半から20時くらいまでかかる。

食堂にチラホラとひだまりとはなのたねの職員が集まった。

菅原さんを中心に、左右に分かれて長テーブルを囲む形でそれぞれの職員が座る。
ならはテーブルの端に座ると、ちょうど正反対にいた笹崎と視線がぶつかった。

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