冷やし中華が始まる頃には
その時、笹崎が偶然その場を通りかかる。

「あ、峯岸さん。お世話になってます。」
「ああ、どうもどうも。」
「猛さん、今上で真剣にパズルしてましたよ。」
「ああ、すごい細かいやつですか。」

どうやら笹崎と峯岸はすっかり知り合いのようだ。
峯岸は弟の送り迎えでたまに来ているとのことだったが、ならが彼をここで見たのは今日が初めてだった。

「猛、今日は大丈夫でした?」
「はい、今日は大丈夫そうですよ。とても落ち着いてます。」
「いやあ、笹崎さんのお陰ですね。」

笹崎と峯岸が弟・猛のことを話す中、ならはもはやパニック状態だった。

雷様がまた現れた。
そして自分のことを知ってた。

これからまた毎週会えることになる。

思いもよらない形で、時計の針がまた動き始めた。
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