神様辞めます!~転生女神は平凡を望む~
唐突に明かされた婚約者の存在に目が点でストップしてしまうと、お母様はそんなことにも気づかずに、実に朗らかに言った。
「ほら、ペセルちゃんは王家からお嫁さんにって打診が来ちゃってて断れなかったよ」
なんてことないように言うが、王家からだって?!
「ペセルちゃんは、生まれた時からアマンダ王女のお兄さんのサフル王子が婚約者よ?」
だから、そんな大事なことどうして言わなかった!?
ねぇ、絶対大事だよねそれ!
でも、振り返ればお誕生会にはサフル殿下とアマンダ王女は毎年参加。
社交界デビューでのパートナーはもちろん
、王宮での舞踏会や夜会も常に一緒でした。
超、エスコートされてました。
それに今まで疑問も持ってませんでした……。
私が、のほほんすぎたのか……。
完全に、ガックリと項垂れた私にお母様はさらに爆弾を落としていく。
「今回アマンダ王女が輿入れして、ジグル様もそろそろ初めてのお子がお産まれになるでしょう? その後に、婚約披露と式の日取りを決めるそうよ」
既に、逃げ場なしで決まってる!
めっちゃ、囲い込まれてる!?
なんか、既視感が……。
第二の人生、のんびり謳歌しすぎてピンチに陥ったようです。
どうしてくれようか……。
わたしは、どうにかこれを回避するすべを模索し始めたのだった。
サフル王子が嫌いな訳では無いが、初めから決まっている結婚というのに嫌悪感が強いのは前世のせいだろう。