神様辞めます!~転生女神は平凡を望む~
前世での私は、父や母に散々振り回されてきた。
結婚相手すら、私の意思を聞こうともしない環境に嫌気がさして、神様を辞めて人界へと転生したのだ。
だと言うのに、今の人生も結婚はままならないとはこれ如何に?!
私は、私の意思で自分の生を生きるためにここに来たというのに。
しかし、無常にも時間は流れるもので。
こんな話を聞いたあとでは避けたい王宮だが、アマンダのためには行かない訳にもいかず……。
非常に、心持ちはいまいち晴れないまま王宮へと三つの包を持って向かったのだった。
王宮に着くと、アマンダの専属侍女さんが迎えに来てくれていて先日とおなじサンルームのサロンに通された。
そこでは、やはり頑張って編み棒と格闘しているアマンダの姿があった。
「アマンダ王女、お時間を頂きありがとうございます。こちら、ご確認下さいませ」
私は持ってきた包をアマンダ王女の元へと運んだ。
「ウソ、もう完成したの?! 流石はペセルだわ」
そんな言葉と共に、嬉しそうな顔をしつつも出された包みが他にもあることにアマンダは少し驚いていた。
「なんか、多くないかしら? 私が頼んだのはおくるみよね?」
侍女さん達がさがったので、私も口調を普段に戻して伝えた。
「私がプレゼントにって話したら、お母様とマーラもって張り切っちゃって。見てくれる?」
そうして開いた包の中身を見て、アマンダはとっても嬉しそうに微笑んでは手に取り
眺めて喜んでいた。