神様辞めます!~転生女神は平凡を望む~
って、やっぱり分かってなかった!?
その手にはサフル王子が帯剣している真剣が握られており、鞘から抜かれるとその先は私に向かう。
あぁ、こんなことになるなんて……。
私は、思わず今生では呼ばなかった、頼りになる大好きな姉を呼んでしまう。
「いや、死にたくない。助けて、アテナ姉様
!」
そう口にすると、パァと光が多い、私が目を庇ううちに目の前に美しく強い覇気の漂う女神が現れる。
「やっぱり、現れたわね。ヤンデレのハデスめ!私の可愛い妹、ペルセポネはお前になどそうそう渡さぬ!人として十回ほど人生を送ったら考えてやるかもしれぬな」
目の前に現れた戦の女神アテナにハデス様はその切っ先を私からアテナ神に変える。
「君は私の邪魔をするの? 冥府の王の私に?」
確かに、ハデス様は一界の王である。
しかし、お姉様はそんなこと意にも介さない。
「ふん、私一人と思うなよ?」
その背後からは太陽神アポロンも顔を出す。