神様辞めます!~転生女神は平凡を望む~
「ハデス様は相変わらずに、妹にご執心だね? 一方的だから拒否されまくりだけれど」
にこやかに毒舌を繰り出すのは、兄アポロンだった。これ、通常運転……。
「く、、太陽神まで一緒なのか……」
そう、冥府の王であるハデス様と兄である太陽神アポロンは相性が悪い。
そこに戦女神のアテナ神もいるのだから形勢逆転である。
「はぁ、私はずっと一緒に居たいのに……。無理そうだね。諦めるよ……」
剣から手が離れて、その両脇に兄と姉が付いてがっちりと腕を掴んだ。
「えぇ、諦めましょうね? 私たちの目が黒いうちは、妹と一緒になることは無理だと」
そうして、兄と姉の登場により、私は無事にハデス様と縁を切ることが出来た。
人界に来て、やっと自分の思いも言うことが出来てなんだかスッキリした感じだ。
「ペルセポネ。いや、ペセル。これで邪魔はなくなるから。自分の幸せは自分で掴めよ」
そんな言葉をのこし、ハデス様を引っ張って二人は天界に戻って行った。
そうしてハデス様の依代による、現世干渉は兄と姉の助けもあって、無事に平和な日常が戻ってきた。