神様辞めます!~転生女神は平凡を望む~

そんなアマンダ王女と一緒の時の私と今を比べられると確かに、外向きの顔をしていると言われて間違いない……。
でも、それはサフル王子だって一緒なはずで……。

「俺にだって外向きの顔がある。だからそれにどうこう言う気はない。でも、それに気づいて、少なからず俺にも悪いところがあることも分かったよ。俺はペセルとちゃんと向き合いたい」

そう言われて、私もハッとした。
外向きの顔しか向けられなかったことに、そういうものかと諦めていたけれど私も彼に外向きの顔しか見せていなかったことに今気づいたのだ。
お互いにそうだったのだから、なかなか本音では歩み寄れていなかったのだと。

「だから、この景色の中でならお互いに素が出せるのではないかと……。ここに誘って正解だった」
微笑んで私に向き合うサフル王子は、王宮や舞踏会や夜会で会う時よりも身近で、自然な雰囲気を感じた。
私も、この景色の中では素直でいられると感じて微笑んで言った。

「この景色は素晴らしいですもの。だから、ここでなら外向きの顔はいりませんね」

私は身内とアマンダのみに向けていた素直なままの自分を、ここにきて初めて結婚相手である婚約者の王子に見せることが出来たのだった。
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