神様辞めます!~転生女神は平凡を望む~
「だから、まずおめでとうって言葉が嬉しいわ。この子がちゃんと認められているみたいで」
まだ、そんなに目立たないお腹。
でも、そこにたしかに息づく命がある。
もうそこにいるのだ。
「当たり前でしょう? だってもう、アマンダのお腹で生きてるんだもの。おめでたいことよ! がんばれ!」
そんな私の言葉に、アマンダは泣き笑いになって言った。
「うん! ありがとう。だから、私ペセルのことが大好きよ」
その笑顔は、既にしっかり優しさに溢れていて、きっと大丈夫だろうと、そう思えた。
そんな私たちの雰囲気が和やかになったところで、サンルームのサロンに皇太子様がやってきた。
「アマンダ王女。 体調はどうだい? むりしてないか?」
のっけから、婚約者もいない公爵令嬢な私には目の毒レベルの甘々が始まりました。
ほんと、この皇太子様の元に輿入れするなら問題ないね。
アマンダのメロメロだからね。
「お久しぶりです、皇太子様」
私が礼をすると皇太子様は、やっと私の方を向いて微笑んで答えてくださった。
「あぁ、ペセル嬢。お久しぶりです。アマンダを早めに連れていくことになって、あなたにお願いがあるらしくこのお茶会をすることに」
その言葉の続きはアマンダが引き取った。
「ペセルの腕を見込んでお願い、生まれてくる子のおくるみを編んで欲しいの。この子、皇国で冬生まれになるから」
その言葉に私は、しっかり頷いて答えた。
「もちろん、喜んで編ませてもらうわ」
趣味の腕が役立つ時である。