雨の日の夜、決して交わることない私たちは出会ってしまった




「何〜?泣いてるの〜?」



コツコツと足音を鳴らしながら私を連れ去ったであろう二人の男が部屋の中入って来て、口に貼られていたガムテープだけ取ってくれた。


二人とも何度もブリーチをして傷んだ髪の毛に大量のピアスをしていた。



その風貌からも伝わるようにとても普通の人には見えなかった



「私に何か用ですか?」



震えて小さくなる声を振り絞って聞いた。




「まぁ、アンタに特別用があるわけじゃないんだけど、アイツらを呼ぶ餌だな。まぁ、大人しくしとけ。」




「てか、自分が1番わかってんだろ?
だってお前アイツらの姫なんだから。」




餌?姫?アイツら?



一体何のことを指してるの?



そして誰のことを?



私が1番わかる?




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