雨の日の夜、決して交わることない私たちは出会ってしまった
「うぅ、蓮君、っありがとう。」
「ばーか。泣くなよ。」
そう言ってクシャッと笑う蓮君の笑顔が眩しかった。
そして蓮君のちゃんとした笑顔を初めて見た気がする。
「蓮、美愛ちゃん連れて倉庫でも行くか」
「あぁ、アイツらも集めとけ。美愛を紹介する。」
「了解。」
そういえば私達がここで長々話してるうちに蓮君の仲間達は居なくなってた。
「美愛ちゃんってバイク乗ったことないよね?」
「うん、ないよ。」
乗ろうと思ったこともないよ。
だってバイク事故のせいでお父さんとお母さんは・・・
「俺達バイクでここまで来たからさ、美愛ちゃん乗せて倉庫行こうと思うんだけど大丈夫かな?」
「うん、大丈夫。」
ちょっと怖いけど、蓮君達は仲間だから。
「奏、お前乗せてけ。」
「わかった。
じゃあ、美愛ちゃん行こっか?」
私は奏さんの言葉に頷いて二人ですぐ近くに停めてあったバイクのところまで歩いて行った。
なんで、蓮君は奏さんに私を乗せるようにお願いしたんだろう。