雨の日の夜、決して交わることない私たちは出会ってしまった
「美愛、こっちに来て自己紹介しろ。」
と言って、手でおいでおいでしてきた。
隅っこで秋帆君の横に隠れるように居た私に全視線が集まった。
秋帆君が
「がんばれ」
って呟いてくれた。
ギュッと秋帆君から借りたお守りを握ってゆっくりと蓮君の方へ歩いて行った。
蓮君の隣に立って深呼吸してから
「如月 美愛です。
えっと、勘違いしてる人も多いんですけど
私は蓮君の彼女じゃないです。」
「え?違うの?」
「なんだ彼女じゃのか」
「なら、俺狙っちゃおうかな」
とか色々と聞こえてきた。