雨の日の夜、決して交わることない私たちは出会ってしまった
「そのお守りさ、親父の形見なんだ。
なんか、それ持ってると安心できる気するんだよ。」
「・・・お父さんの形見だったんだ。」
「俺が中二の時、交通事故で死んだんだ。
飛び出してきた子供を避けて電柱にぶつかってそのまんま。まぁ、事故だし誰が悪いとかじゃねぇから今は気にしてねぇけどね。」
「そっか。」
秋帆君も交通事故で親を亡くしてるんだ。
ただ、私と違うのは直接的な加害者が居るか居ないか。
私は絶対にあの時の人を許せないし、恨んでる。
ふと時計を見るともう22時を過ぎていた。
まぁ、それもそうだよね。
学校帰りに拉致られて、助けられて、仲間になって。
本当に濃い一日だった。
蓮君が
「家まで送る」
と言ってくれた。