雨の日の夜、決して交わることない私たちは出会ってしまった




スッと蓮君が私の前に手を出した。




「え?」




「・・・迷子になんねぇように。」




「え、あぅ、うん。」




自分の手を蓮君の手に重ねた。




あっかいな。




「バイクだとこうして帰れねぇ。」




“こうして”とは手を繋ぐことなんだろう。




耳まで真っ赤になってそう言う蓮君がなんか愛おしかった。





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