雨の日の夜、決して交わることない私たちは出会ってしまった
「じゃあ、蓮君は私と二人で出かけるときはバイクじゃなくて手を繋ごうね。」
こんな大胆な発言をするなんて今日は少し変だな私。
昨日と同じように特に話すこともなく無言で歩いた。
でも、心地よかった。
家の前に着いて繋いだ手を離すのがなんだか寂しかった。
当たり前のように明かりのついていない家に入るのは寂しい。
そう思った私を安心させる為にか手を繋いでない方の手で頭をポンポンしてくれた。
「お前は一人じゃねぇから。不安になるな。
俺もアイツらもいる。」
「うん。ありがとう。」
「戸締りちゃんとしろよ。また明日な。」
「うん!また明日!!!」
“また明日”っていい言葉。