雨の日の夜、決して交わることない私たちは出会ってしまった
「“さん”要らねぇ。」
「え?」
突然言われて理解が出来なかった。
「龍也でいい。さん付けとかキモい。」
あ、名前のことか。
「う、うん。あっ!でも」
「あ?」
「男の子のこと呼び捨てにしたことなくて。
だから、その!リュウって呼んでもいい?」
反応がない。
やっぱダメだったかな!?
でもさ、いきなり呼び捨てにするのが何気に難易度高いんだもん。
だからってあだ名はダメだったかな?
やっぱ今のなしって言おうとしたら
「好きにしろ」
と言われた。
「うん!ありがとうリュウ!!!」
最初は金髪で目つき悪くて怖かったけど話してみると意外にそんなことなかった。