雨の日の夜、決して交わることない私たちは出会ってしまった




そのあとは特にお互い話すこともなく歩いてたけど倉庫までもう少しのところで凌駕に会った。




「あっ。凌駕・・・」




思わず名前呼んでしまった。




凌駕と一緒にいるのはカラフルな頭の男の子たち。




そのうちの1人が





「なになに、凌駕の知り合い?超可愛いじゃん。ちょっ、紹介してよ」




と言ったが凌駕は




「っるせぇ。こんな女知らねー。話しかけんなよ。クズ。」




睨みながら私に暴言を吐いた。




「っ、ごめんなさい。人違いでした。」




と言うことしか私には出来なかった。




私のことを見ることなく凌駕は仲間たちと一緒にどこかへ向かった。



残った私とリュウは少し気まずい雰囲気になってしまった。




私はこの雰囲気を変えるために、無理矢理笑顔を作ってリュウに




「今の弟なの。凄い嫌われっぷりでしょ。
昔はあんなことなかったんだけどね。やっぱ反抗期かなー?」




とおどけてみた。




リュウは眉をピクリとも動かさずに





「そうか」




とだけ言った。




倉庫に着くまで私たちは何も話さなかった。




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