雨の日の夜、決して交わることない私たちは出会ってしまった



「なぁ、小田切って言ったらわかるか?」



ただ苗字を言っただけなのに




男二人組が




「お、小田切!?」



「おいやべぇぞ。聞いてねぇよコイツがあの、小田切なのか??」




青冷めた顔になった。




「聞いてねぇんじゃなくて言ってねぇんたよ、で?2対1で誰に勝ち目がないんだって?」



「すみませんでした。もうしないんで許してください。」



「俺に言うんじゃねぇよ。コイツだろ?」



そう言って私の方を見た。




「「すみませんでした!!」」




「どうする?アンタが殴って欲しいならコイツら痛ぶってやるけど。」




確かに怖かったし嫌だったけど




「ううん、大丈夫。殴ったら小田切さんの手も痛くなっちゃうでしょ?だからいいよ。ありがとうございました。」




「そっかわかった。じゃあお前らもう行け。目障り。次はねぇからな?」



小田切さんがそう言うと逃げるように立ち去ってた。




「平気か?」



「うん、本当にありがとうございました。」




お礼を言ったことだし私も帰ろうとした時に、夕方に殴られたところが急に痛み始めてそのまんま小田切さんの方へもたれかかるように倒れ込んでしまった。




「っおい、大丈夫か???」




そんな声を聞きながら意識を失っていった。



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