バックステージ☆
神様のいじわる
アイドルゆえの、恋愛禁止のカラダ。
周りを気にしないで堂々と恋することはできない。
蒼だって、大人気のアイドル。
恋愛は禁止されているにちがいない。
それなのに、誘ったりしたら、蒼に悪い。
それでも、蒼への気持ちは、自分の胸にしまいこんでおくには大きく育ちすぎていた。
思いを伝えないと、苦しくて苦しくて、発熱してしまいそうだった。
いつか思いを伝えられるときが来ると信じて、自分の素直な気持ちを、大切にしていこうと決めた。
それから私は、本名で蒼のファンクラブに入り、スケジュールの合間を縫って、こうしてお忍びでコンサートツアーに出向くようになった。
「あれ、かーやじゃん」
最前列に座って、コンサートのパンフレットに見とれていた私は、ハッと我に返った。
「い、いえ、人違いです・・・」
と答え、おずおずと声の主の顔を見上げた。
「なんだ、日高さんかぁ」
緊張が緩んだ。日高優成だった。
チェックのシャツにカーデガンという脱力した服装だけど、身につけているものはちょっと高級で、清潔感が溢れている。
優成は、どさっと隣に腰掛け、長い足を組んだ。
優成は蒼の事務所の先輩だ。
ミュージカルや映画もこなすくせに、いつも誰にもこびずに自由に振舞っている優成に、蒼は憧れを抱いているらしい。
周りを気にしないで堂々と恋することはできない。
蒼だって、大人気のアイドル。
恋愛は禁止されているにちがいない。
それなのに、誘ったりしたら、蒼に悪い。
それでも、蒼への気持ちは、自分の胸にしまいこんでおくには大きく育ちすぎていた。
思いを伝えないと、苦しくて苦しくて、発熱してしまいそうだった。
いつか思いを伝えられるときが来ると信じて、自分の素直な気持ちを、大切にしていこうと決めた。
それから私は、本名で蒼のファンクラブに入り、スケジュールの合間を縫って、こうしてお忍びでコンサートツアーに出向くようになった。
「あれ、かーやじゃん」
最前列に座って、コンサートのパンフレットに見とれていた私は、ハッと我に返った。
「い、いえ、人違いです・・・」
と答え、おずおずと声の主の顔を見上げた。
「なんだ、日高さんかぁ」
緊張が緩んだ。日高優成だった。
チェックのシャツにカーデガンという脱力した服装だけど、身につけているものはちょっと高級で、清潔感が溢れている。
優成は、どさっと隣に腰掛け、長い足を組んだ。
優成は蒼の事務所の先輩だ。
ミュージカルや映画もこなすくせに、いつも誰にもこびずに自由に振舞っている優成に、蒼は憧れを抱いているらしい。