バックステージ☆
「いまはまっすぐに思いを伝えられなくても、
 きっといつか、
 彼に分かってもらえるときが来る。
 だから、今は我慢して、
 彼のことをこっそり見守ろう?
 かーやも五十嵐蒼も、アイドルなんだから、
 ライブに通ってることも、
 ファンレターを書いてることも、
 時期が来るまで、
 かーやとうちの胸にしまっておこう。
 かーやの、五十嵐蒼への思いは、
 このポンちゃんがよく分かってるから。
 うちが証人だから」

私はポンちゃんのやさしさに泣きそうになった。



「愛を、恥じることはないのよ」


ポンちゃんは、私のほっぺたを手のひらではさんで言った。

私の大きなサングラスがずれて、鼻水がたれた。


ポンちゃんは男の子だけど、好きな人は男の人だ。

そんなポンちゃんの口からポロリとこぼれたその言葉は、

すごく意味深く聞こえて、

ポンちゃんの心の広さと奥深さを感じた。

ポンちゃんの言葉に、胸が熱くなる思いがした。



蒼のことを好きでいいんだ、と許された気がした。

そしたら、なんだか力がわいてきた気がした。
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