キライが好きに変わったら、恋のリボン結んでね。
 目を白黒させていると、私の手首を掴んでいる宙斗くんの手にキュッと力が入り、心臓がドキンッと大きく高鳴った。

「お前は俺の彼女、だろ?」

「あ……」

 それは確かに、そうなんだけど……。きみは私を本気で好きではないでしょう?

 自分で言って切なくなって、視線をそらそうとした。そんな私を逃がさないとでもいうように、宙斗くんはさらに手を引っ張ってくる。

「なら、俺の隣にいろ。よくわからないけど、飛鳥が他の男と仲良くしてるところとか見るの、結構堪える」

 宙斗くんはなんで、そんな言葉をかけてくれるのかな。まさか、私を好きになってくれたとか……? だってきみが紡ぐ言葉は告白にも似て甘いから、勘違いしそうになる。

 私は捕まれた手と彼のいつにない真剣な表情に「はい」と答えて、戸惑いながら座りなおしたのだった。

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