キライが好きに変わったら、恋のリボン結んでね。
「は? じゃあなんで、どっちがいいとか聞いたんだよ」

「見てたら、どっちも食べたくなっちゃって」

 ブルーハワイちゃんも、イチゴちゃんも魅力的すぎるのが悪い。

 かき氷を見つめながらよだれが垂れそうになっていると、宙斗くんは私を横目に見て呆れた顔をする。

「食い意地だけは一人前だよな」

「そ、そんなことっ……」

 否定しようと思ったけれど、前に宙斗くんが手作りお弁当を作ってくれたときもバクバクと食べているところを見られている。それを見た宙斗くんには、馬車馬とまで言われてしまっていた。

 今さら過去を塗り替えることはできないし、ごまかせないもんね。ならば、いっそ認めましょう。私は潔い女子ですから。

「あるかもなぁ、うん」

「あるんかい」

 宙斗くんのツッコミを聞きながら、私たちは適当な段差に腰かけてかき氷を約束通り半分こにして平らげる。そして空になったカップをビーチに設置されているゴミ箱に捨てた帰りに、無理やり彼を海に誘った。

「こんな塩水の中に入って、なにが楽しいんだよ」

    

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