キライが好きに変わったら、恋のリボン結んでね。
 宙斗くんは息を呑んだかと思うと、すぐに私から視線をそらす。

「そ、そんなこと言われても……」

 この体勢では、いたしかたないのでは?

 ふたりで顔を真っ赤にしていると、宙斗くんの指が頬を滑って唇に触れる。触れられた途端に、ドキンッと大きく心臓が高鳴った。

 全身が発熱しているみたいに頭がぼーっとしている私を、宙斗くんはもう一度見つめる。

「お前、なんか……おいしそう」

「は、はい!?」

 なにを急に言い出すの! クール王子はどこへやら、これでは甘々王子じゃないですか。わーんっ、誰か助けて!

 頭が真っ白になって心の中で叫んでいると、ふいに彼の吐息が唇をかすめる。

「え……」

 思ったよりか細い声が出て、私は目を見開く。

 キ、キスされる……!?

 ギュッと目を閉じて運命に身をゆだねると、体にズッシリとした重みが乗る。反射的に目を開けると、耳元ではぁーっとため息が聞こえた。

「ひ、宙斗くん?」

「悪い……。なんかもう、自分がよくわからねぇ」

 私に覆いかぶさったまま、首元に顔を埋めてくる宙斗くん。彼が動くたび、その髪が首筋に当たってくすぐったい。身をよじると、隣にコロンと寝ころんだ彼は逃がさないとばかりに私を強く抱き込んだ。

「わわっ」

    

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