キライが好きに変わったら、恋のリボン結んでね。
⑧サヨナラしても、きみのためを想うから
 プチ旅行の翌日、今日から月曜日で一週間の始まり。休日も宙斗くんと会えたし、また学校でも一緒だなんて幸せだ。

「あ、お前ちょっとこっち来い」

「え?」

 朝、下駄箱で宙斗くんと会った私は一緒に教室に向かっていた。その途中で宙斗くんに手首を掴まれ、空き教室に連れ込まれる。

「なっ、なに?」

 突然のことで思考が追いつかないけれど、ともかく連れ込まれたことよりも宙斗くんが私の手首を握ってることに驚いた。いつから、女子に触れられるようになったんだろう。そこまで考えて、私は旅行のときに『俺、なんでかお前には触れられる気がする』と言われて抱きしめられたことを思い出し、うれしさと恥ずかしさに頬が熱くなるのを感じた。

「どうしたの、宙斗くん」

「いいから、そこに座れ」

 宙斗くんが目で促したのは、近場の席。私はわけがわからないまま、言われたとおりに座る。宙斗くんはスクールバックを私の座る席の机の上に乗せると、中からソーイングセットを取り出した。

「どうして、糸と針?」

 彼は糸を通した針を手に、ズイッと顔を近づけてくる。その手が私の襟にかかり、トクンッと心臓が音を鳴らした。

 ――な、なに!?

    

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