キライが好きに変わったら、恋のリボン結んでね。
ああっ、このボタン一生つけ直さない! ずっと大事にしよう。
宙斗くんにつけてもらったボタンをニコニコしながら指先で撫でていると、視線を感じて顔を上げる。
「お前、そんなんで機嫌よくなるわけ?」
優しい眼差しで、柔らかい表情で、首を少しだけ傾けながら私を見つめる宙斗くん。
「そうだよ、宙斗くんのおかげで今日一日幸せだもん」
「単純だな」
「小さな幸せを見つけるプロなので」
「ぷっ、なんだよそれ」
くしゃっと笑う宙斗くんにつられて、私も笑う。
でも本当は、ただきみといるだけで幸せなんだよ。
ふと、ソーイングセットをしまう宙斗くんのスクールバックの中にあのスケッチブックを見つける。
「宙斗くん、デッサン今日もやるの?」
「ん? おう、今日の古典のときにやろうかと思って」
私の視線がスケッチブックに注がれているのに気づいた宙斗くんは、そう答えてくれる。
「じゃあ、デッサンする前に私にスケッチブックを貸してくれないかな?」
「は? なんで」
「見たいから! 宙斗くんの新作をいち早く見れるなんて、極楽浄土にでもいる気分だよ」
「大げさだな……ま、いいけど」
そう言って宙斗くんは、スケッチブックを差し出してくれる。それを両手で受け取ると、胸に大事に抱えた。
「行こうぜ、ほら」
宙斗くんにつけてもらったボタンをニコニコしながら指先で撫でていると、視線を感じて顔を上げる。
「お前、そんなんで機嫌よくなるわけ?」
優しい眼差しで、柔らかい表情で、首を少しだけ傾けながら私を見つめる宙斗くん。
「そうだよ、宙斗くんのおかげで今日一日幸せだもん」
「単純だな」
「小さな幸せを見つけるプロなので」
「ぷっ、なんだよそれ」
くしゃっと笑う宙斗くんにつられて、私も笑う。
でも本当は、ただきみといるだけで幸せなんだよ。
ふと、ソーイングセットをしまう宙斗くんのスクールバックの中にあのスケッチブックを見つける。
「宙斗くん、デッサン今日もやるの?」
「ん? おう、今日の古典のときにやろうかと思って」
私の視線がスケッチブックに注がれているのに気づいた宙斗くんは、そう答えてくれる。
「じゃあ、デッサンする前に私にスケッチブックを貸してくれないかな?」
「は? なんで」
「見たいから! 宙斗くんの新作をいち早く見れるなんて、極楽浄土にでもいる気分だよ」
「大げさだな……ま、いいけど」
そう言って宙斗くんは、スケッチブックを差し出してくれる。それを両手で受け取ると、胸に大事に抱えた。
「行こうぜ、ほら」