キライが好きに変わったら、恋のリボン結んでね。
そう口走り、慌てて口をつぐむ。けれど時すでに遅く、男子はニヤッとしてスケッチブックを掲げると「あの宙斗クンが、こんな可愛い絵をかいてるらしいぞー」と面白おかしく言いふらした。
「前のキーホルダーも、本当は自分の趣味じゃねーの?」
「やっぱり女みたいだな」
「えーっ、私のクール王子像が壊れた!」
言いたい放題の生徒たちに教室が騒がしくなり、そのタイミングで宙斗くんが帰ってきてしまう。みんなの好奇な視線を感じてか、宙斗くんは訝しげな顔をした。私が駆け寄ろうとすると、先にスケッチブックを奪った男子が宙斗くんの前に立ち塞がる。
「こーれ、なんだかわかるか?」
「なんで、お前がそれを持ってんだよ」
スケッチブックを見て目を見開いた宙斗くんが、説明しろとばかりに私を振り向く。
「早見が、お前が書いたって言ったんだよ。随分、可愛い趣味をお持ちで……ぶはっ」
男子が吹き出すのに合わせて、みんなも笑い出した。その中で黙り込んでいた宙斗くんは、冷ややかな目を私に向ける。
「お前も話題のネタにするために、言いふらしたってわけか」
「ち、違う!」
「まさか、そのためにスケッチブックを貸してなんて言ったのか」
冷たい瞳の中に悲しみが滲んでおり、どんな理由にせよ彼を傷つけてしまったのだと胸がズキリと痛んだ。
「前のキーホルダーも、本当は自分の趣味じゃねーの?」
「やっぱり女みたいだな」
「えーっ、私のクール王子像が壊れた!」
言いたい放題の生徒たちに教室が騒がしくなり、そのタイミングで宙斗くんが帰ってきてしまう。みんなの好奇な視線を感じてか、宙斗くんは訝しげな顔をした。私が駆け寄ろうとすると、先にスケッチブックを奪った男子が宙斗くんの前に立ち塞がる。
「こーれ、なんだかわかるか?」
「なんで、お前がそれを持ってんだよ」
スケッチブックを見て目を見開いた宙斗くんが、説明しろとばかりに私を振り向く。
「早見が、お前が書いたって言ったんだよ。随分、可愛い趣味をお持ちで……ぶはっ」
男子が吹き出すのに合わせて、みんなも笑い出した。その中で黙り込んでいた宙斗くんは、冷ややかな目を私に向ける。
「お前も話題のネタにするために、言いふらしたってわけか」
「ち、違う!」
「まさか、そのためにスケッチブックを貸してなんて言ったのか」
冷たい瞳の中に悲しみが滲んでおり、どんな理由にせよ彼を傷つけてしまったのだと胸がズキリと痛んだ。