キライが好きに変わったら、恋のリボン結んでね。
「宙斗くん、今まで傷つけてごめんなさい。離れててもずっと……」
――きみが好きだよ。
言いかけた言葉は声にはならずに、代わりに涙が頬を伝っていく。偽りでもそばにいられて、私は幸せだったんだと思う。きみの想いと私の想いが比例していなくても、拒絶されて胸が痛んでも、たった一回の笑顔が見られるだけで私の心は満たされていた。
「ありがとう、サヨナラ」
頑張って笑顔で言ってみせた。そんな私に息を詰まらせた宙斗くんが「飛鳥……」と名前を呼んで、こちらに足を踏み出した瞬間――。
「あんな自分勝手な男、やめときゃいいのに」
「えっ」
声が聞こえた瞬間に、うしろからグイッと引き寄せられる。振り返れば、そこには息を切らして立つ楓の姿があった。
「か、楓? どうしてここに……」
「お前のことを追いかけてきたんだよ。ったく、足早すぎだろ」
そっか、私のこと心配して走ってきてくれたんだ。私、いい親友をもったな……。
じんわりと胸が温かくなり、心が震える。気が緩んで泣いてしまいそうになったけれど、宙斗くんの前だから我慢した。
「おい宙斗」
楓は鋭い視線を宙斗くんに向け、私を抱きしめる腕に力を込める。
――きみが好きだよ。
言いかけた言葉は声にはならずに、代わりに涙が頬を伝っていく。偽りでもそばにいられて、私は幸せだったんだと思う。きみの想いと私の想いが比例していなくても、拒絶されて胸が痛んでも、たった一回の笑顔が見られるだけで私の心は満たされていた。
「ありがとう、サヨナラ」
頑張って笑顔で言ってみせた。そんな私に息を詰まらせた宙斗くんが「飛鳥……」と名前を呼んで、こちらに足を踏み出した瞬間――。
「あんな自分勝手な男、やめときゃいいのに」
「えっ」
声が聞こえた瞬間に、うしろからグイッと引き寄せられる。振り返れば、そこには息を切らして立つ楓の姿があった。
「か、楓? どうしてここに……」
「お前のことを追いかけてきたんだよ。ったく、足早すぎだろ」
そっか、私のこと心配して走ってきてくれたんだ。私、いい親友をもったな……。
じんわりと胸が温かくなり、心が震える。気が緩んで泣いてしまいそうになったけれど、宙斗くんの前だから我慢した。
「おい宙斗」
楓は鋭い視線を宙斗くんに向け、私を抱きしめる腕に力を込める。