キライが好きに変わったら、恋のリボン結んでね。
その言葉が唇から飛び出すまでが、やけにゆっくりに感じた。時差のように私の思考は一瞬だけ止まってから、じわじわと意味を理解する。
「う、嘘っ」
ずっと片想いだった。名前を呼んでもらうのも、目が合うのも、手を繋ぐのも、なにもかもが難しくて、女嫌いの彼との恋はマイナススタートなものばかりだった。
だから好きだと言われたのに信じられず、じっと彼の瞳を見つめてしまう。
「嘘じゃない。楓に嫉妬したり、こうして近づくだけで、ほら……」
また一歩、距離を詰めた宙斗くんの頬が赤くなるのを目を瞬かせながら凝視した。宙斗くんはそっぽを向きながら、気恥ずかしそうに頬を掻く。
「こんなんになるくらいには、飛鳥のことが好きだ。わかったか?」
「わ、わかった」
近い距離に、見慣れない表情に、どぎまぎしながら頷く。
もう勘違いなんて思わない、きみの言葉を信じる。私はやっと、ずっとずっと好きだったきみの特別になれたんだ。
「どうしよう」
「飛鳥?」
胸がいっぱいになって、涙が込み上げてきた私は俯く。そんな私の顔を、宙斗くんは下からのぞき込んだ。泣いているのを見られてしまい、宙斗くんは「お、おい……」とあたふたし始める。
「なんで泣いてるんだ」
「う、嘘っ」
ずっと片想いだった。名前を呼んでもらうのも、目が合うのも、手を繋ぐのも、なにもかもが難しくて、女嫌いの彼との恋はマイナススタートなものばかりだった。
だから好きだと言われたのに信じられず、じっと彼の瞳を見つめてしまう。
「嘘じゃない。楓に嫉妬したり、こうして近づくだけで、ほら……」
また一歩、距離を詰めた宙斗くんの頬が赤くなるのを目を瞬かせながら凝視した。宙斗くんはそっぽを向きながら、気恥ずかしそうに頬を掻く。
「こんなんになるくらいには、飛鳥のことが好きだ。わかったか?」
「わ、わかった」
近い距離に、見慣れない表情に、どぎまぎしながら頷く。
もう勘違いなんて思わない、きみの言葉を信じる。私はやっと、ずっとずっと好きだったきみの特別になれたんだ。
「どうしよう」
「飛鳥?」
胸がいっぱいになって、涙が込み上げてきた私は俯く。そんな私の顔を、宙斗くんは下からのぞき込んだ。泣いているのを見られてしまい、宙斗くんは「お、おい……」とあたふたし始める。
「なんで泣いてるんだ」