キライが好きに変わったら、恋のリボン結んでね。

　彼の大胆なお願いに変な声が出た。恥ずかしくて答えることができないでいると、宙斗くんはもっと顔を近づけてくる。

「飛鳥、ダメか？」

「うっ……」

　吐息が唇にかかり、息苦しさを覚える。

　もう、だめだ……なにも考えられない。だけどわかるのは、私もきみに触れたいってこと。言葉だけじゃ、手を繋ぐだけじゃ足りない。もっともっと、きみがほしい。

　自分から求めるのは恥ずかしかったけれど、私はそっと目を閉じてか細い声で答える。

「……いいよ」

　震えるまつ毛に、彼の前髪がかかったと思った瞬間――。

「ずっと、これから先も、飛鳥だけが好きだ」

　そんな甘いセリフを吐いたきみの唇が、強く重なる。何度も角度を変えられるたび、きみの熱に溺れていく。

　このキスが終わったら、もう一度きみに伝えよう。

　――あのね。私もずっと、これから先も、きみだけが好きだよ。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 END．