キライが好きに変わったら、恋のリボン結んでね。
えぴろーぐ
夏休みに入って四日後、今日は宙斗くんと付き合って初めてのデートの日だ。私はうれしさを堪えきれなくてニヤケながら、隣を歩く宙斗くんに声をかける。
「宙斗くん、雨が降らなくてよかったね!」
「あぁ、お前が雨女じゃなくてよかった」
水色地に金魚柄の浴衣を身にまとった私は、同じく黒地にしじら織の浴衣を着た宙斗くんと花火大会に向かっている。
午後十八時、空は太陽の余韻を残した藍色に染まっている。こうして夏休みもきみに会えるなんて、私は幸せ者だな。きみに会いに行くとき、一緒にいるとき、私の心も足元もふわふわとする。きみの隣にいると、世界はいっそう優しく見えるんだ。
「私は生まれたときから晴れ女だよ! 今まで大事な日に雨が降ったことないもん」
「大事な……そ、そうか」
宙斗くんは手の甲で口元を覆う。その顔は赤くて、私は自分の発言の大胆さに気づいた。
私……大事な日って言っちゃった。
完全に無意識だったけど、本当にそう思ったんだ。だから恥ずかしかったけれど、撤回はしない。
履きなれない下駄がカラン、コロンッと涼しげな音を鳴らし、夜風が首筋を撫でる。なのに私の体は火照っていて、じっとりと汗をかいていた。
「宙斗くん、雨が降らなくてよかったね!」
「あぁ、お前が雨女じゃなくてよかった」
水色地に金魚柄の浴衣を身にまとった私は、同じく黒地にしじら織の浴衣を着た宙斗くんと花火大会に向かっている。
午後十八時、空は太陽の余韻を残した藍色に染まっている。こうして夏休みもきみに会えるなんて、私は幸せ者だな。きみに会いに行くとき、一緒にいるとき、私の心も足元もふわふわとする。きみの隣にいると、世界はいっそう優しく見えるんだ。
「私は生まれたときから晴れ女だよ! 今まで大事な日に雨が降ったことないもん」
「大事な……そ、そうか」
宙斗くんは手の甲で口元を覆う。その顔は赤くて、私は自分の発言の大胆さに気づいた。
私……大事な日って言っちゃった。
完全に無意識だったけど、本当にそう思ったんだ。だから恥ずかしかったけれど、撤回はしない。
履きなれない下駄がカラン、コロンッと涼しげな音を鳴らし、夜風が首筋を撫でる。なのに私の体は火照っていて、じっとりと汗をかいていた。