キライが好きに変わったら、恋のリボン結んでね。
「そうだったんだ、ハンドメイド作家に……」

 そこまで聞いて、私はあるワードに引っかかる。今、宙斗くんは「ハンドメイド作家になった」って言ってなかっただろうか。

「……うん? どういうこと?」

 私は困惑しながら、宙斗くんの顔を凝視する。そんな私の混乱に気づかない彼は、淡々と自分のことを話していた。

「だから、こういう雑貨巡りは職業病みたいなもんだ」

「ちょっと待って、後半が頭に入ってこなかった!」

 ハンドメイド作家って、宙斗くんが!? 待って、宙斗の宙って……ハンドメイド作家【Hiro】ってことにならない?

「あ、あああああ、あのっ」

 震える声で、私はリボンを持つ手を上げる。

「なんだよ」

「差し支えなければ、あなたはハンドメイド作家の【Hiro】様ではないでしょうか?」

 怪訝そうな顔で身構えた宙斗くんに、私はリボンの刻まれたロゴを指さしながら恐る恐る尋ねた。

「そうだよ、お前のそのリボンも俺が作った」

「ぎゃーっ」

「心臓に悪いから、奇声を上げるな!」

 そっか、そっか……! だからあのとき、私のリボンを探して来てくれたとき、『大事にしてくれて、ありがとな』って言ったんだ。宙斗くんが、作った本人だから。

「私、【Hiro】の大ファンなの!」

    

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