キライが好きに変わったら、恋のリボン結んでね。
 私は唇を突き出しながら、スマホを片手に【高校生、デートスポット】と検索する。恥ずかしながら、私は宙斗くんが初彼氏なのでこういった事柄には疎い。でも確実に、宙斗くんよりは私の方がマシな計画を立てられると思う。

「うーん、定番はテーマパークだって」

「あまり気合い入れすぎてると、かえって怪しくないか?」

 私のスマホ画面を宙斗くんがのぞき込んでくる。

 遊園地、確かに気合い入れすぎてるって感じだよね。うん、逆に怪しいかも。だったら、テーマパークとかじゃなくて身近にある場所がいいかな。

「じゃあ、その次のゲームセンターなんてどう?」

 世の中の高校生カップルはゲームセンターでプリクラを取ったり、アトラクション的なゲームで交流を深めるんだとか。

 もちろんネット情報だけど、これなら見栄張りすぎてないし、無難な気がする。

「ああ、そうだな。じゃあ朝の十一時くらいに集合して、一時間くらいゲーセンで遊ぶ。そのあと昼メシ食べるってのは?」

「おおっ」

 なんか、宙斗くんが乗り気だと戸惑うな。私とのデートを頑なに拒否していた彼が、なんだかんだ言って予定を決めてくれていることに感動する。

「じゃあ、待ち合わせ場所はゲームセンターもファミレスもある駅前でいい?」

 つい昨日、美代や楓とプラプラ歩いたショッピング通りもある。駅前なら、もろもろ恋人らしいことができそうだ。

 そう思って私が提案すると、彼も頷いてくれる。

    

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