キライが好きに変わったら、恋のリボン結んでね。
「え、これ……」
宙斗くんが作品作りの参考にするからって取ったんじゃないの?
テディベアを抱きしめながら問うように宙斗くんを見上げれば、フイッと視線をそらされる。
「この間のお礼」
「お礼?」
私、なにかお礼されるようなことしたっけ?
ぶっきらぼうにそう言った彼に、心当たりがなかった私は首を傾げる。
「ウサギとクマのキーホルダー、くれただろ」
「……ああ!」
言われてやっと、思い出す。宙斗くんを可愛い雑貨屋さんで現行犯逮捕したときに、私がお詫びであげたキーホルダーのことだ。
「でもこれ、ぬいぐるみ作りの参考にするんじゃ……」
「そんなこと言ったか? 空耳だろう、うん」
「…………」
まさか、まさかだけど……。私にお礼するために、このテディベアを取ってくれたとか?
頭の中でまさかを何度も繰り返し唱えていると、頬が熱くなってくる。そうだったとしたら、今ここで死んでもいい。一生ぶんの幸せを使い果たしたから。
「あ、ありがとう宙斗くん! 大事にするね!」
ギュッと強くテディベアを抱きしめれば、宙斗くんは「大げさだな」と言って小さく笑った。
宙斗くんが作品作りの参考にするからって取ったんじゃないの?
テディベアを抱きしめながら問うように宙斗くんを見上げれば、フイッと視線をそらされる。
「この間のお礼」
「お礼?」
私、なにかお礼されるようなことしたっけ?
ぶっきらぼうにそう言った彼に、心当たりがなかった私は首を傾げる。
「ウサギとクマのキーホルダー、くれただろ」
「……ああ!」
言われてやっと、思い出す。宙斗くんを可愛い雑貨屋さんで現行犯逮捕したときに、私がお詫びであげたキーホルダーのことだ。
「でもこれ、ぬいぐるみ作りの参考にするんじゃ……」
「そんなこと言ったか? 空耳だろう、うん」
「…………」
まさか、まさかだけど……。私にお礼するために、このテディベアを取ってくれたとか?
頭の中でまさかを何度も繰り返し唱えていると、頬が熱くなってくる。そうだったとしたら、今ここで死んでもいい。一生ぶんの幸せを使い果たしたから。
「あ、ありがとう宙斗くん! 大事にするね!」
ギュッと強くテディベアを抱きしめれば、宙斗くんは「大げさだな」と言って小さく笑った。