キライが好きに変わったら、恋のリボン結んでね。
「だって、これはもう修正のしようがな……ぶぶっ」

「いいや、俺に案がある」

「え?」

 宙斗くんは乗り気でタッチペンを握り、黒のインクで私の目を無理やり一文字に塗りつぶし始める。まさに、宙斗くんと同じ顔がそこに並んでいた。

 素晴らしい画力──じゃなくて。

「ひどい……」

「お前も一緒に笑われろ」

「やっぱ、ひどい!」

 フンッと鼻で笑う彼に、私はあることを思いつく。私は隣で優越感に浸っている宙斗くんを横目に、二枚目の写真を自分のほうの画面に出した。

 最近のプリクラは顔にメイクができるので、私はニヤニヤしながら彼の唇に真っ赤なルージュを引く。その顔がまたおかしくって、私は「むふふ」と我慢できずに笑みをこぼしてしまう。それに気づいた宙斗くんは、「おい……」と低い声で、私の握っているタッチペンのコードを掴んだ。

「気色悪い、今すぐやめろ!」

「宙斗くん、トッテモ美人ダヨ」

「片言じゃねーか!」

 そんな宙斗くんのツッコミに、私はまた吹き出す。

 そこからは、ふたりでお互いの顔に落書きし合うという謎の戦いが始まった。そして、出来上がったプリクラをふたりで確認すると──。

「「心霊写真だ……」」

    

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