キライが好きに変わったら、恋のリボン結んでね。
「お前はどこに行きたい?」

 さりげなく車道側を歩いてくれる宙斗くんが、前を見つめたまま聞いてくる。その横顔をドキドキしながら見上げた。

「私はアイスが食べたい!」

「好きだな、お前……」

 前にアイスを食べに行くのに付き合せたことを思い出したのか、呆れている宙斗くんに私は「ふふふ」と笑う。

「大好物なんだもん、冬でも食べるよ?」

「ありえねー……」

 きみの隣に並んで、こうして言葉を交わす。たったそれだけで、私はこんなにも幸せな気持ちになれるんだ。

 ──私、やっぱりきみが好きだ。

「ねぇ宙斗くん」

「なんだ」

「いつか、私に似合うリボンを作ってほしいな」

「は? なんで俺が──」

「いつか、気が向いたらでいいから!」

 リボンをくれたそのときは、もう一度きみに告白する。ひとつの区切りとして、この恋に答えが欲しいから。

 だから、早く私を好きになってね。宙斗くん!

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